ささいなこ

短歌や詩、日常のささいな物語を綴ります。

2019-01-01から1年間の記事一覧

はい、父です

大人になってはじめて 父 親戚に囲まれて 笑っている 父でない姿を 目の前にした かっこ良かった ヤバイ人 この人が父であり あった証拠

そなえて

甘いものを抑えて いいたい気持ちを押し込んで 少しづつ女性になろうと思います

年末ってヤツ

一番線の列車に乗るまでに お世話になった人の これまでの顔 おっちゃん おばちゃん 姉さん 他人になった人 足取りを早めて 早送りでこれまでの人に最後の挨拶 一番線の列車に乗って 傷ついて 笑った景色を じっくり白目で見る

おじさま

マンホールがカタカタ言った横でおじさまの入れ歯がカタカタ言った

肉まん

はっとしてふっとしてほっとする 帰り道今日は肉まんです

サンタさん

サンタさんへ 3度目の正直 じゃないけれど ぽっと気づいたこの恋に 優しいリボンと 好きと伝えるメッセージカードを 添えて あの人に届けてください リンリンリンリン

聖なる夜

サンタの話で盛り上がる女の子のクリスマス 笑顔溢れる聖なる夜

鉄橋

未来 その彼方にある鉄橋を知らないフリして渡るわたし

冬至

冬至後に冷えた雨の朝 踏切を架ける女の子の眩しい姿

同じ寂しい

あなたに優しい顔をしたのは 同じ寂しいをちょっと知ったからです

ばっかばか

ばっかばかしい事ばかり だけど 誰かと笑うと ばっかばかしいくらいに最高

写っている瞳に 2人の姿 こうしておけばと言わないように なかよくしてね 傷つかない程度で

かおとかおをあわせてはなしをしよう ほらあったかいね

車のバックライト 照らされ瞬く間に悲しくなる 誰かにちゃんと愛されてきたのだろうか 夜 そのことを思いながら帰り道に途方に暮れる 孤独に寄り添って歩いている

いつの日かのあなたに あなたに出会いたいので今日も各駅停車に乗ります

反面

みんな誰かの好きな人 反面とっても嫌いな人

孤独

海の底に槍がささって 空では鳥が 鳥が一羽で鳴いている 陸に色とりどりの花が太陽を待っている 晴れた日に鮮やかに見える景色さえ 哀しみを抱え 空をかけている 槍が海底で音を立て 鳥は群れをなさずに孤独に迷い 花は光と時間を待つ それぞれの場所 小さな…

ケンチク

立て直し立て直し 僕らは作っては壊しをくりかえす 悲しみも楽しみも みんな立て直し立て直し

ささらぎ

流れていく川のささらぎにさえ嫉妬してしまう美しい鳥

掃き溜め

掃き溜めだな 何度も消すけど溜まっていくよな 見えないのに すみっこのほうへ 手のひらの小さな言葉 揃えて揃えてそろそろと 僕ら あーあーあー 悲しくないのに 涙をながし 嬉しくないのに 笑っているよ いらないものとてつもなくさ ほら 消して消して書い…

のりば

天国に逝った人 7番8番のりばの間でお団子になってお待ちください

複雑な

複雑な恋もほどいていけばあなたに会えます

分かり始め

小さな頃に言ってほしかったこと 大人になって分かり始めました

ずっと言いたかったこと

何かを伝えて もしそれがずっと 言いたかった事だった としたら これまでの過去の辛さは 流れるような美しさなの で

父さん

父さんが詰め込んでくれた これもこれも これも入れえ 食べれへんよ みかん2個とヨーグルト 仕事のカバンに 父さんどこ 詰め込んでない本当の父さん

片脚

つめてつめて 跡形もなくなったボロボロ段ボールに片脚を突っ込み笑う

赤い実

まっすぐな まっすぐな霧を ずっと進んでいる ずんずん行っても 後ろを振り返っても これまでの後ろ髪は もはや枝毛になって 地毛にならないくらいに汚い 誰にも声を掛けられないままに 進む森に小さくて赤い 目と口と耳と鼻のついた木のみがあった お腹は減…

ぶどう

頬張った頬のぶどうをつぶして遊ぶ放課後の家

ランドリー

ほらすぐそこ 街角夢の扉ランドリー 泡と水の戯れ

あの人

階段をのぼる 足の運びがおかしいと 笑って 悩んだ夕方に 戻らぬか もうきっと 花の名前を覚えられずに ろくな男も見つけずに 無駄な花束だけを家に持ち帰っても あの人 笑ってくれないのさ 階段をのぼる 家に着くまでのグリコ 何段あっても足りぬおかしさ …