ささいなこ

短歌や詩、日常のささいな物語を綴ります。

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

今日までと明日までとと願いながら まだ慣れぬ香水をふるう夜

バス乗って髪の話をすることを 乙女だと思い胸が弾む

正直きついできごとを 笑ってしまえばそれでいいよと鈍行電車

人の気を

人の気を 気のせい、で分かっていた 本当に衝突してしまった時 私の耳からサイレンが聴こえ 目から血が流れた 痛みさえ感じず 鼓動だけが体を波打つ どこかさえも 誰がさえも 人の気も知らず立っている人生 どんどん身体が溶け始め 最後に私の目ん玉だけが …

忘れぬように

靴下を5セットとパンツを畳み 歯磨き粉とシャンプーをつめて 紙袋の底は優しく押して 気持ちを整えた心は終う あとは持ち物に 名前だけは忘れないで あなたがあなたを忘れぬように

この世界から消えたいなら そこの絵の具で空を染めてよ

そこからの声が届くかぎり モノクロームをもカラーに変えたい

かえるとひよこと虎が同じ鞄に入っています 想像できない食物連鎖

だれでしょう 窓にうつるわたしの姿はまるで外枠空気人形

紙袋のパンケーキ みても吐き気がするの 悪阻じゃないただの吐き気が

目の前に写る姿が見えぬまま 足下にちいさな花が咲いていた

青と黒と金色を探してあなたとどこに行けばいいのでしょう 誰もいない壁の向こうへ

勇気をだせば大きくなります 先日みた夢の赤ちゃん

哀しみに浸るといっそいいのだろう ナンバーを引いて足しては届かぬ命日

もう一度 言ってしまえば楽だけどもう一度足すと二度とない

暗い道にあなたがいた でもいまじゃないあなたじゃない

うちに秘める静かな私が踊りだす 夜のダンストントントン