ささいなこ

短歌や詩、日常のささいな物語を綴ります。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「暗くて静か」

静かで暗い 此処は 何にもぶつかることはない すなわち わたしたった1人 目をつぶる 音を確かめ 地に触れる 壁はない 自由で静かな 暗い世界 そこで呼ぶ名前は いま知っている 誰でもなく 知ったこっちゃない 誰かを呼ぶ

わたしの髪を撫でるひと 少し伸びてさっぱりとしたわたしの髪 風に揺れ さらさらと流れた乱れた髪 ふっと暖かい手が わたしのアタマにのって 「その髪も似合うね」と 優しく言って 優しく撫でる あなたの手は暖かく 夏のほんのりとした はかない 寂しい夜に…

豚敵(トンテキ)

呪ってやろうか ミッドナイトの豚カツ1人前

脱皮

背に伸びる風景を 無限に背負っていたい そこは国境はない 何も知らない真っ平らなひとびと そんな場所で 「こんなことおもしろいね」と 笑って泣いて 本音をぶつけて分かち合う 真っ平らなひとびとと 何も知らないところから でこぼことした美しい道をつく…

8月を知らない私

肩にのりあう 男女 髪と頬を触れあわせる 2人の姿に あの人と歩いた夜を思い出す またあなたの肩で眠って 新しい日を迎えたい またあの夏の朝を あなたと

覚悟する者たち

歩き続けても 目の前は 生い茂る壁ばかりで 「出口はどこですか」と 言うものと聞く その者の声 「出口を求めてはいけませんよ」 ふっと後ろから刺す 群れの声 ここにいても どこにいても 生い茂る壁の葉から 手と顔を突き出す その勇気 私よ あるかい?