ささいなこ

短歌や詩、日常のささいな物語を綴ります。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

グッドバイ

過去はきちんとたたんで 思い出の火にともす さようなら さようなら 過去 燃えろ 燃えて消えて わたしの心も今も 過去と同じ様で 燃えてしまえ 真っ黒い煤に 未来は見え隠れしてるんだ

消えるんだって

同じ日に戻れるなら夜のすべり台とあなたの背中を触りたい

紫の愛

日常も愛もないあなたのキスは紫の色

流れつき

川沿いの道をまっすぐ抜けてあなたに溺れたい

失った

忘れたいと願うほどに 濃くなってゆくあなたの横顔

未達

どうすれば辿り着くのか 月の裏と反対の顔

みてます

予想もしなかったことを 母の感と経験

いつか

寂しさの枕に頭を沈める 雨 午後四時

お湯割り

8割の幸せとお湯割りの不幸を注ぐの カウンター越しのあなたに

この電車

この電車にあなたは乗っていない けれど何処かにいてねと願うわたしは愚かですか

生きている

壁にのめり込む野望 そしてあなたの命

通りゆく影に惑わされないで みらいのわたし

離れましょう

ふざけた顔 あなたの膨れる頬にわたし 何度も手をさすってみます

ぼうず

今宵もなびく髪の長さに 未だ慣れることができません

作業

手の水ぶくれによる 男子25メートル平泳ぎ

ひとみ

嘆きを沈めることを四十雀が薦める 二十四の夏

夫婦

笑いあうふたりの輪郭に そっと花びらを添える記念日

年齢の確認

夕暮れに 手をなげ今日を迎える 初老の男

もどれないから

社会の目が閉じるなら 今すぐあなたに枯れた花を刺しにいきます

すわる

いつまでも青い空の下で腰かけるあなた見つめる

優し すせそさそ

尊重しさえするいうえおあに あなたの優しさが重なってく

「17時20分」

17時20分にあなたが生きていることが わたしにとって唯一の救いです いま

「はじめまして」

天気が何回転しても もう憧れのあなたに 会えません けれど続けて続けて 続けていたら やさしい日差しに化けて そっと ほほえんでいるのかも知れない 「誰や、きみ」 そう問われたならば 顔を 空の青に染め 大きく手を振ります

「なさけ」

絡まったひもを水につけて 溺れさせる これで完成 ようこそ なさけへの扉