ささいなこ

短歌や詩、日常のささいな物語を綴ります。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

嘆く時 あなたはどこにいるのでしょう 幸せ願う夜の雨

いつかひとりになるのねと ひっそり呟く肩の匂い

ここにいる確かな人の温もりを いつまで感じられるのだろう

白い部屋だったか黒い部屋だったか そこにいた誰かの影

寂しいと声続く限り呼んだとて どうしようもなくあなたは遠い

シートから漏れる血の量に こうでなかったら誰かと問う

擦り切れる限り 線がみえるまで減らしたい

言い出せない事がありますので 少し喉を切っておだしします

スジに流れだす液体に 争うことなく委ねる午後

不安を隠しきれぬまま 目を取り外して床につく

青に混ざる魔法を知って 遠くのホテルに泊まる夜

大体を決めつけて生きていけるなら わたしの存在はなんですか

どちらがどちらが我先と まもなく死にそうになるからやめて

ぶつかったピンクの壁へ 溶けるなら身を委ねます

寝た手をそっとやさしくとる そうであったような温もりの手

こうやって今を返してくのでしょう 安定も不安定も嫌

オレンジオレンジオレンジ 前世はきっと橙の子

待っている寒さ あなたは1人だと想う その方がよっぽど寒くて哀しい

ゴールド輝く小指親指 正真正銘18K

もらってばかりいる女の子 わたしからもあげたいのに

着なかった色 肌に手繰り寄せる夜の試着室

もう良いでしょとなんとなく問い終わらない夜

どうってことない出来事の蓋を開けたらことあることばかり溢れだす朝

毛糸玉

針をさすと赤い糸がでてきます 場所によっては まるで終わりない毛糸玉ができあがり 糸は重なるごとに黒になります まっ黒になった毛糸玉を眺める時 私は乳白色に染まったからだで 手袋を編もうと思います

大丈夫を一文字一文字溶かしていきたい 大丈夫じゃない日々と誰かに

ここで会いましょうそして話そう 今日はそう言ったかと

充分な愛を挿れても哀しいだけです

鍵がかかっていないけど 私ちゃんとかけました かけました

締められた痛みとたたかう 無理にしなくて良いです本当

社会人というならばいっそ私は故人でいたいです