ささいなこ

短歌や詩、日常のささいな物語を綴ります。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

最新のメロディ そこのチャートに載っかってたいの

もうすこし寝かせてみましょう 目が開いても手のひらで撫でる

左手の指で右脚にふれ 交差した時間に埋もれる夜の日

解ろうとは思わないけど 少し腕には触れさせて体育館に響く非名

忘却の海に捨てる 夕方おじいちゃんの竿につれる捕獲

もう乗っているかもしれない 私に見せなくても彼によろしく

詳細を鮮明に覚えて 鮮やかな月経色みたく

会わなかったらあなたとわたし 知らなかった鰯の群れよ

確かめたかったこと手にのせたら シュークリームのできあがり

アイスクリームだって溶けるもんだから 私たちだって溶けていいでしょ

マンション屋上の専用スリッパを揃えただけです 分かったから叫ばないでよ

メイベリン塗りたくって謝罪会見 あんな外人にはなれません

ダサいならダサいなりに もう一丁ダサなってみろ蓮根柄靴下赤色カラー

あの日に返って言ってやりたい なんでわたしを選んでんだ

もう終わりですか 東京も電車も此処に立つわたしも

どっちから鳴らせばいいのだろうと こんなこと考えたくもないのに

どうしてもそっちへ行きたくて 得意げにフラフープ100回回す

ちょっとだけマシな態度であなたの頬をつねって笑う

黒い耳を人差し指でそっと押しても鳴かないスタフトゥ

コンクリートに咲いていた花 撫でないでそことそこに猫たちの声

これ以上に好きなのかもと 思い続けて冷たいスープ

黒いコーヒーと苦い煙草の熱さに驚く日々はどこかへ

もう1人もう1人 どこにも行けぬ夜の狭さと指切りの痛み

最終の匂い 汗と唾液と暗闇の夜

あの日交わした記憶さえも 頭のなかでノイズの泉

赤いスープを入れながら 鼻血を流して涙も流して

馬鹿ばっか世界 傷つけ合う日々が愛 それだけか

隣にいると笑うだろうな ふざけ倒した写真を君へ

最終の電車 窓をみて星に願う

煙を巻いて 散った花束は灰になるから