ささいなこ

短歌や詩、日常のささいな物語を綴ります。

人の気を

人の気を

気のせい、で分かっていた

本当に衝突してしまった時

私の耳からサイレンが聴こえ

目から血が流れた

痛みさえ感じず 鼓動だけが体を波打つ

どこかさえも

誰がさえも

人の気も知らず立っている人生

 

どんどん身体が溶け始め

最後に私の目ん玉だけが コロコロと

冷たいコンクリートに落ちた