ささいなこ

短歌や詩、日常のささいな物語を綴ります。

見えていなかったじゃすまされないのよ 命を切ってしまうのですから

大層幸せなのでしょうね それに比べて私は不が付き

誰だって間違いはあるよっていう奴らに間違いの雨フレ

本当にこれで良かったのだろうかと 後悔しても遅い時間

どうもしようがないのに シャワー強で脂を流す

ちいさいことつみあがって登り道になり坂の道になり

このままでいいのでしょうか 泣きながら寝床に着く

透明のビニールカーテンびらびらひらく けど見えていたのにまだ見えないまま

不在票2枚ゆっくり折り曲げる音 ひらり届けてくれたひとの背中の音

ひつじ雲の後ろにいますか羊さん その後の牧場いかがですか

足りないなと思えば思うほどに 本当にそうなんだろうか 足指冷える

それではと 背中から白くて長い糸ぬけました 本当のわたしは今どこですか

教会が真っ赤になる 夕日落ちないように私の眼から血が流れぬように

わかるように 分かり合えるように説明してもわたしはあなたではない 星のひと

点と点を繋げて空の父描く 何億光年先のかがやき

成長過程支える眼差し どこだったか教えてはくれない過程はあくまで家庭内過程

聞こえるように聞こえないように 森に潜む怪獣の声ギャアヒュルリリリー

大丈夫だと言ってもなお 落ち着く巣箱も止まり木もない朝

変わり映えしようにもない場所で変わろうと思いはじめても なお留まる場所

しっかりと思い出さなくていい 私はしっかりしていない人

膨らんだシコリ搾っても出ないなんて 悪夢だらけの映画みたい

ビカビカと発光する消灯 しても目は赤青黄色

ずっと伸ばしている背筋 夏 秋 冬 春には風

流れゆく川と時間と喪服の布 流れん悲壮はいずこに流れ

ゆらりとゆれる炎より 隣にあなたがいてほしい盆

砂漠に足をサラサラ慣らし 全力裸足アスファルト踏む

ステンドグラス 今時分反射しないで 父はこの世にいない人だろ

ありそうでなかった悲しみにひたり どうしようと嘆く夏の日の風

好きですと言われる前から好きだったんだと鏡の前 うれしくて泣く

数なんて知らないけれど受け取って 中に受け取りきれない数もあるけど