ささいなこ

短歌や詩、日常のささいな物語を綴ります。

バス

バスに乗り 夜の風景を横目でなぞる

バスの時間 あまりにも揺れる車内で

あなたを見つけた

少し泣いてしまうけど

よく思い出したら
隣にもこの場所にもいないので

深く泣いてしまい

車内に鼻をすする音が

ひとしきり響いている

 

バスに乗り あなたが今いる世界を見上げる車内で

前に座る女の子らが肩を寄せ眠る

その姿 あの時のバスに乗り

あなたの隣で 肩の温もり

窓に映る あなたの寝顔が

愛おしくて

少し泣いてしまうけど

混み合うバスの現実に

我にかえり 家に帰る