ささいなこ

短歌や詩、日常のささいな物語を綴ります。

「水の存在」

この部屋にいた 

昨日までいた人へ

感じている この悲しみを

わたしはぜんぶ 流したはずなのに

コップに入った水が

飲んで飲んでも いつまでも減らない

噴水のような 異様な貯水湖みたく

 

いつまでも 溜まった水

飲み干すことはできず 苦しみで溺れる

 

永遠に流れ 溢れる悲しみに

溺れて跡形もなく

場所もないどこかへ 落ち着くのだろう

 

この部屋に

確かに昨日までいた人へ

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