ささいなこ

短歌や詩、日常のささいな物語を綴ります。

腫れもの

ずっと不思議だった小さな腫れものが
パンッと割れて 痛くて泣いた
母は潰すからだと 父はアホやと呟く
唯一の味方の姉は自業自得と笑っている

ずっと静かだった悲しみが割れた
どかっと押し寄せ 溢れ出した
母はうるさいと 父は背中を向ける
唯一の味方の姉は強くなれとほくそ笑む

腫れたのを割った小さな自分は
個人の人生はなんなのか 物思い泣く